1125万円新規就農補助金の話|農業アルバイトをオススメしない理由

農業をはじめる前に

僕が実際に新規就農の準備を進めていく上で、
市役所や農務事務所で相談し、説明を受けた内容についてお話してみようと思います〜

で、この記事で共有しようと思っている情報は

これから農業をはじめようと思っている方で「新規就農者向けの補助金(最大1125万円)」の申請を考えている方には、農業関連のアルバイトをすることは あまりオススメできない

ということ。

・ぷち補足

アルバイトをオススメしない理由について先に説明いたしますが、
補助金制度の中身についても記事後半で説明いたしますので、興味がございましたら〜

補助の条件を考える

では早速、農業関連のアルバイトをオススメしない理由から。。。

農業アルバイトの経験があると、場合によっては農業従事者(農業経験者)とみなされてしまい、
補助金や無利子・無担保で融資を受けたりなど、「新規就農者向けの制度」の審査のハードルが上がる可能性があるから

です。

農業に関連していても事務作業や作物のトラック運搬くらいなら、ギリギリオーケーかもしれませんが、
作物の栽培に直接関わるような作業(畑仕事など)は特に注意が必要です。

補助を受けるメリット

2022年現在、日本には農業次世代人材投資資金という、2段階の補助金制度があります。

山梨のブドウ農園・畑(収穫期のデラウェア)の写真

制度の1段階目に当たるのが「就農準備資金:最大300万円」で、この補助をもらいながら研修を受けるとですね、山梨県の場合ですと。。。

2段階目の「経営開始資金:最大450万円」「経営発展支援事業:最大375万円」の補助を受けたり、認定新規就農者になるためのハードルを下げることができたりします。

(正確に言えば「農業大学校や先進農家のもとで研修を受けた実績」が重要なので、必ずしも就農準備資金を受ける必要はありません)

また認定新規就農者になることができれば「青年等就農資金」という、
無利子・無担保で資金を借り入れることができる、これまた衝撃的な融資を申請する権利を得ることもできます。

まぁ、簡単に言えば「優良農業経営者であることを認めてもらいやすくなる」ってことかな〜

季節労働愛媛県でみかんアルバイト(コンテナに入った真穴みかん)の写真

就農準備資金の交付期間は研修生になって、なんやかんやで1日8時間、繁農期には週6日のフルタイム研修(無給)になることもあるので
仮に、もしもそうなった場合に「補助金額 ÷ 研修時間」で時給換算すると、けっこう厳し目な設定かもしれないなぁとは思うのですが。。。

やはり、研修実績をつくることで農地を借りやすくなったり、
優良農業経営者として認められやすくなって、
いろんな制度に申請する権利を得られることは、超巨大なメリットになると僕は思います〜

補助を受けるべきだと言いたいわけじゃないんですけども、
資金に余裕があればあるほど 事業へ投資する額も大きくすることができますので、成長スピードに明らかな差が出てきます☆

そういったことを意識するのであれば、補助を受けてみるのも1つの手かもしれませんね(^^)

(就農準備資金も、実際には「研修の1〜2年間は、ほぼ無収入で生活しなければならないところ、補助が150万円/年も おりてくる」わけですから、とてもありがたい制度なんですけども)

農務事務所で教えていただいた こんな情報もございます↓
新規就農補助金の審査を通過するために準備すべきこと

補足:例外もあり

地域によっては就農準備資金の制度そのものがなかったり、
「雇用就農資金(研修制度)」→「経営開始資金」という流れになっていたりもします。

詳しくは就農希望地の市役所等でご確認ください。

補助を受けるデメリット

この制度を受ける上で注意すべき点もあるので、そこも軽く説明しておきます。

一言で表すのなら

この補助を受けた場合は、最低限 生計を立てられるくらいの利益を出せるまで、農業という事業を確実に育てあげなければならない

ってこと〜

茶刈の風景(京都和束町・宇治茶収穫アルバイト)の写真

そもそも就農希望者を支援するための補助金で、多額の税金を投入するわけですからね、
せめて農業で生活できるぐらいの成果を出すのは、当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。。。

ただ、農業には本気で取り組んでも「利益をそこまで上げるつもりがない」のであれば、
補助金の申請をする前に、もう1度よく考えてみる必要があると、僕は思います。

(農業は本気でやるのに、利益を上げないことを不思議に思う人もいるかもしれませんが、
たとえば農業をビジネスの一部に組み込むだけだったりとか、(農業)所得を抑えたい場合なんかは、そういった状況が起こり得ります)

・ぷち補足

研修後に独立・自営で農業をするのではなく、農業法人などで雇用就農してもらうのもありです。

まずは相談してみよう*

そういうわけなので、ゆくゆくは新規就農者向けの補助金制度を活用したいのであれば、
農業関連のアルバイトをして、農業従事者とみなされないようにしておくとよいと思います*

理由は、農業従事者は「就農準備資金」という補助制度の対象にならないからです。

補助金なしで研修実績をつくるのもありなんですけど、収入がなくなるので そこは自分のお財布との相談が必要かもですね★

やってみたいアルバイトがあるのであれば、そのアルバイトをしても農業従事者とみなされないかを、
農務事務所や市役所の農林課へ問い合わせて確認することをオススメいたします〜

(問い合わせの際には、新規就農者向け補助金の申請を考えていることも伝えると、話がスムーズに進むはずです)

ネパールの畑作の写真

・・・と言っても、これはあくまで「就農準備資金 → 経営開始資金」の流れで両方の補助を受けたい場合の話で、
就農準備資金の代わりに雇用就農資金を利用したり、経営開始資金のみ申請するということでしたら、話は また別です。

(山梨県のように就農準備資金の補助を受けながら、県指定の農家で研修を受けた人の方が、
経営開始資金の制度にも乗りやすい場合は、結局1段階目の準備補助から受けることになるかもですが)

農業従事者にはなりますが、こういう働き方もあります↓
畑がない農業|自然派ノマドフリーランスの自由な働き方

補助金の一覧

ここからは補助制度について、簡単な説明をいたします〜

先述のとおり「農業次世代人材投資資金」と「経営発展事業」という2つの補助金制度があるのですが、
まず これらのメリットを説明しておくと「これは補助金なので、あとあと返済する必要がない」ということです。

最大1125万円もの大資金を返済不要で得られるという、すさまじい制度なんです。笑
(問題が発覚した場合は全額返還もあり得ります)

交付条件等の詳細は農林水産省のHPでご確認くださいませ↓
農業次世代人材投資資金 by 農林水産省

あと、「青年等就農資金」の無利子貸付制度もヤバいです。

1:就農準備資金

これは新規就農 希望者(農業研修生)向けの「就農準備資金」で、
1年間で最大150万円、最長2年間で最大300万円の補助を受けることができます。

和歌山県みなべ町・南高梅農家さんが樹を剪定する様子(夕焼け)の写真

たとえば。。。

山梨県の場合、新規就農希望者は「あぐりゼミナール」という研修制度を活用することができます。

(制度を活用するには、いくつかの条件を満たした上で、審査を受ける必要があります)

この制度では、県に認められた先進農家のもとで研修を受けることができて( ≒ 研修実績ができる)、
畑作業以外にも、たとえば農業マーケティングや経営管理など、農業経営に関わること全般を学ぶことができます。

ビニールハウスでいちご狩り(山梨県しまむら農園のいちご)の写真

ただ、研修は年間で1200時間以上受ける必要があるのですが、アルバイトではないので その間の収入が途絶えてしまいます。

(研修の合間にアルバイトすることは不可能ではないけども、研修と言えど農業は肉体労働ですし、
週3〜6日の研修を受けて、夜間や休日にバイトのシフトを入れるのは、けっこう厳しいと思います)

そこで!

生活費の負担を軽減するための措置として、「就農準備資金」の補助を国が用意してくださっているわけでございます(^^)

稲刈りの様子の写真

・ぷち補足

法人で雇用就農されずに自営農業を目指す場合は、研修後の5年以内に「認定新規就農者」にならなければなりません。

この認定新規就農者になるのは かなり難しいのですが、正式な研修実績があれば評価ポイントの1つになります*

で、以下で説明する3つの支援制度は、認定新規就農者が活用できるものです。

2:経営開始資金

新規で農業をはじめた時点(経営を開始した時点)から、経営が安定するまで最長3年間、最大450万円(150万円/年)の補助を受けることができます。

当たり前ですが植物が成長するのには時間が かかりますので、
成園(作物を収穫できる状態の畑)を既存農家さんから譲ってもらわない限りは、経営を開始した その月から収入があるなんてことは まずありません。

和歌山県みなべ町の紀州南高梅干し(農家のビニールハウス1)の写真

成園どころか、そもそも農地自体、そう都合よく大規模で確保できる保証もないので、
最低限生活できるようになるまでの間、生活費の足しとして補助金があれば安心ですよね*

果樹なんて、それなりの量を収穫できるまで5年以上かかるものもありますし〜

3:経営発展事業

この制度の助成額は、補助対象事業費上限1000万円(経営開始資金の補助を受けている場合は最大500万円)です。

就農後の経営発展を支援する事業で、必要な機械や施設の導入等にかかる費用の3/4を、国と県が負担してくださいます。(本人負担1/4)

たとえば500万円の設備投資を行う場合に申請をかけて、審査が通れば375万円の補助がおり、自己負担が125万円のみになります。

4:青年等就農資金

こちらは機械・施設の導入や家畜の購入、果樹畑の新植・改植等にかかる費用の「無利子貸付制度」です。

京都和束町(宇治)のお茶工場の写真

経営発展事業の助成金と違い、青年等就農資金は借り入れなので返済の必要がありますが、
それでも最大3700万円の資金を無利子で調達できるのは、とんでもなく ありがたい設定ですよね☆

詳細はコチラ↓
青年等就農資金 by 農林水産省

まとめ

新規就農者向けに、農業次世代人材投資資金という補助金がある。

制度は2段階になっていて、山梨県の場合だと1段階目の「就農準備資金:最大300万円」を活用した人の方が、2段階目の「経営開始資金:最大450万円」の補助も受けやすい。

また国や県が認めた先進農家のもとで、1年以上の研修(無給なので、補助があるとありがたい)を受けた人は、農地を借りやすくなるし認定新規就農者(認定農業者)にもなりやすい。

(正確に言えば「農業大学校や先進農家のもとで研修を受けた実績」が重要なので、必ずしも就農準備資金を受ける必要はない)

認定新規就農者になると「経営発展事業:最大1000万円・経営開始資金を受けている場合は最大500万円(自己負担1/4)」や「青年等就農資金:無利子借り入れ最大3700万円」を申請する権利を得ることができる。

これから農業をはじめようと思っていて、1段階目の就農準備資金から申請することを検討しているのであれば、農業関連のアルバイトをすることはあまりオススメできない。

場合によってはアルバイトでも、農業経験者(農業従事者)と みなされて、
補助金を含めた新規就農者向けの制度を活用しにくくなってしまうため。

やってみたいアルバイトがあるのなら、そのアルバイトをしても農業従事者とみなされないかを、
農務事務所や市役所の農林課へ問い合わせて確認することをオススメします。

また この補助を受けて独立・自営農業を目指す場合は「最低限 生計を立てられるくらいの利益を出せるまで、農業を育てあげなければならない」ので、
農業をビジネスの一部に組み込むだけったりとか、(農業)所得を抑えたい人は注意が必要です。

こんなところかな〜

はい、以上!
最近は農務事務所でいろいろな やり取りをしていて、その中におもしろい情報があったので共有してみましたよ日記でした〜

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最後までお読みくださり ありがとうございました(^^)
この記事が すこしでもお役に立ちましたら 嬉しいです☆