「現在の自分が置かれている状況」が変わるたびに、思い出は書き換えられている。
だから
過去は「現在、そして未来の自分が幸せになってはいけない理由」には ならないんです*
現在の自分が 過去を決める
記憶・思い出は 頭の中の引き出しから、いつでも自由に呼び起こすことができます。
また 記憶の断片だけを思い出すこともできる。
たとえば 2015年の誕生日に、友達とケーキを食べた思い出があったとして
友達との会話、一緒にすごしたお店、ケーキの見た目や食感、味など、思い出全体ではなく それぞれの「記憶の切り抜きだけ」を選んで思い出すことができるってこと〜
それができるが故に
人は「現在の自分にとって 都合がいい過去」ばかりを選んで思い出しています*
もっと言えば、別々のシーンの記憶の断片をつなぎ合わせたり、合成したりして
ニセの記憶を自分で創り、「現在の自分の心を安定させるために」そのニセの記憶を思い出していることもあります。
(本人はニセの記憶だということに気づいてないけど)
てことで、今回は!
現在の自分 と 過去の記憶の関係についてのお話〜
脳は いつでも「今の自分に必要なことや、自分が望むもの」しか僕らに見せてくれません。
・ぷちお詫び
文字数の関係で タイトルにはイヤな過去を「消す」方法と書いたんですけど、
正しくは「記憶の別の部分に集中することで、イヤなことを忘れさせたり、思い出しにくくする方法」です〜
記憶は あてにならない、だから
前回、前々回の記事では「記憶が書き換わる仕組み」、「書き換わる条件」、「書き換える方法(ニセの記憶を埋め込む方法)」などを紹介してきました。
(参考著書:つくられる偽りの記憶/臨床心理士・越智 啓太(元 警視庁科学捜査研究所 所属))
そこから わかったのは
僕らの 記憶は 間違いだらけである
ってことです。
事実と異なるどころか、まったく存在しない過去を思い出として 心に留めていることだってあります。
(自分では気づいていないだけで、おそらく僕も あなたも。)
じゃあ それを解説して、僕は何を言いたかったのかと言えば
実在したかどうかも わからない過去に こだわっていないで、
「今」を 心豊かに暮らすことに 専念した方が良いのかもな〜
ということです。
あ、誤解されないよう一応言っておきますが、
もちろん記憶のすべてが誤りなわけじゃありませんし、思い出なんて切り捨ててしまえばいい と言いたいわけじゃございません。
大切な思い出があるから、豊かな今がある という場合もありますし*
ただ「ネガティブな意味で」過去に捉われすぎない方が いいんじゃないかなって話〜
だって 僕らの記憶なんて、全然あてにならないんだから。
・ぷち補足
(今回は ところどころ僕個人の感想も混ざったりはしていますが、脳の機能上?の問題や その他の能力から考えても記憶(自分の思い出)なんて、ほぼあてにならないと僕は思っています)
過去は1つ:思い出は4つ
お話のテーマは「現在の自分 と 過去の記憶の関係」です。
内容を一言で表すならば、現在の自分の状況が
自分の過去(の思い出)が どんなだったかを決めている・・・言い方を変えると
「現在の自分が置かれている状況」が変わるたびに、過去の記憶も書き換えられているんですよ
ってこと☆★
記憶が変わるパターンとしては。。。
☆今の自分を肯定するために
1、明るい過去にする
2、暗い過去にする
(過去を利用して、現在の自分を肯定する)
★今の自分を批判するために
3、明るい過去にする
4、暗い過去にする
(過去を利用して、現在の自分を批判する)
この4つの中から、その時その時で「自分に都合のよい組み合わせ」が選ばれます。
4パターンの変化について 例をあげて考えてみましょう。
題材にする出来事は。。。
道で転んで、持っていた荷物が散らばってしまい
それを拾い集めるのを、通りがかりの人が手伝ってくれた
この たった1つの出来事・思い出に、どんな違いが生じるのかを検証していきます。
(正確に言えば、1つの思い出の変化(書き換え)は、4パターンだけでなく無限にありますけども)
・ぷちぷち補足
道で転んだという、わずか数分の出来事を例にして説明していきますが
僕が伝えたいのは「人生単位」の話ですので、30歳の人なら これまでの30年の過去のすべてを、これから説明する4パターンの方法で思い出しているってことです。
道で転んだ1つの出来事を、あなたの過去の すべての出来事(記憶・思い出)だと思って読みすすめてくださいませ〜
いつでもハッピー論☆
まずは今の自分を肯定するために、過去を明るくするパターン。
たとえば 今の自分が「私は まわりの皆の優しさのおかげで、今 とても幸せです*」と(潜在意識で)思っているのなら
過去の記憶の中から、人の優しさを感じるシーンばかりを思い出したり切り抜きます。
そういう人が もしも
道で転んで、持っていた荷物が散らばり
それを拾い集めるのを、通りがかりの人が手伝ってくれた時のことを思い出そうとすると
「見ず知らずの自分にも親切にしてくれる いい人に出会えた」という明るい思い出となり、
その人の温かい笑顔や、 大丈夫ですか?という優しい声などが思い出されます。
人によっては、相手の服は暖色系だったとか「私も 時々道で転ぶことがあるんですよ〜」とフォローしてもらい、軽く談笑したなどと
記憶を改ざんしたり、ニセの記憶を付け加えている(フォールスメモリーを生成している)場合もあります。
(実際には相手は黒い服で 会話もしていないのに、「心温まる人生を歩んできた」という信念が、そういった温かい過去(フォールスメモリー)を創り上げている)
どんどん よくなる論*
逆に今を肯定するために、過去を暗くするパターンではどうなるのか。。。
たとえば「一生懸命自分を磨いてきて、少しずつ その成果も感じられるようになってきた」と、今の自分が信じているとしたら
自分は成長しているわけなので「過去の自分は、今よりもダメだった」という記憶が必要になります。
そこで、道で転んだ時のことを思い出そうとすると、それは「自分の不注意が招いたミス」という暗い思い出となり
人前で転んで恥をかいたことや、相手の目を見て ちゃんとお礼を言えなかったこと(後悔)などが思い出されます。
(「あの時の自分は注意が散漫だったけど、今は それもなくなったなぁ」と、昔に比べて 今の自分が成長していることを実感するために)
場合によっては記憶を改ざんして、まわりの人に笑われたなどのフォールスメモリーを創ってしまうかもしれません。
補足:「人生の話」です
念押しで もう1度言いますが、これは道で転んだ空想の出来事の話をしているのではなく
僕らが 僕らの過去、人生そのものをふり返る時に起こっていること
の話です。
あなた自身が、現在の自分をどんな状況に置いているか、どんな意志をもって暮らしているかが
どの思い出の どの部分を切り抜いて、あなたに思い出させるのかを決めたり
ときには記憶を改ざんしたり、ありもしなかった記憶を創りだし、そのフォールスメモリーを本当の記憶だと信じて 思い出したりしてるんですよってこと〜
ピークは過去にある論*
では つづきまして、今の自分を批判するために 過去を明るくするパターン。
「友人とのトラブルを機に、人とコミュニケーションが取れなくなってしまった」と、今の自分が思い込んでいるとして
道で転んだ時のことを思い出そうとすると、それは「(以前は)自分のことを気にかけてくれる人がいた」という明るい思い出となり
見ず知らずの人が手伝ってくれたという全体的なストーリーや、(恥ずかしくて相手の目は見れずとも)お礼の言葉はちゃんと伝えられたことなどが思い出されます。
そういう明るい過去にすることで「友人とのトラブルが原因でコミュニケーションが苦手になり、そのせいで自分と関わってくれる人もいなくなった」という 今の自分に対する批判的な意見を、肯定しています。
あの頃は うまくいってたのになぁ。。。みたいな感じ。
また 相手から「ケガがなくて 何よりです*」と優しい言葉をかけてもらった、というフォールスメモリーを創ったりも。
不幸は一生もの論★
ここまでの3パターンの例で「なにを思い出すかのメカニズム」は、なんとなく理解していただけたかと思いますので、4つ目のパターンは簡略しますね〜
今の自分を批判するために 過去を暗くするわけなので、
要は「自分は昔からダメ人間だから、今もダメで当然」と感じられるような記憶を選んで思い出したり、そう感じられるようなフォールスメモリーを創りだすことで、その信念を肯定します。
あなたが 本当に守りたいもの*
たった1つの出来事が、4種類の思い出に変化してしまう例を紹介しましたが
こういったことが、僕らが過去をふり返る時に いつも起こっているんです。
失恋や大事な場面の失敗など、大きな出来事で考えてみれば
その「直後」と、「数年後の」心が癒えた時に あらためて ふり返るのとでは、同じ出来事なのに「思い出す 記憶の内容」に違いがあるのは、明らかですよね☆★
つまり
現在の自分の変化に合わせて
過去の人生は、よくも わるくも 常に書き換えられている
ってことです。
これは 今の自分を肯定したり、心を安定させるための働きではないかと考えられています。
なので、記憶が書き換わっていることに すでに気づいていたり、違和感を持っていたとしても「私だけ!?」と心配する必要はないと思いますよ(^^)
まわりの人も 気づいていないだけで、日常的に起こっていることなので〜
僕自身も、その時その時の自分の状況によって
思い出す(無意識が選び出す)過去と その中身が、全然ちがうなぁ と感じることがあります*
結局ね、僕らが 無意識で1番大切にしているのは、過去でも未来でもなく
まさに今「この瞬間に存在している」自分自身
ってことなんじゃないかな*
余談:僕らは望んだものしか認知できない
僕らは普段、自分にとって都合のいいものしか存在に気づくことができない、
(人の脳は)自分が望んでいる情報しか取り込むことができないという、心理的盲点:スコトーマのお話をしたことがありますが
今回の話から考えると、過去を思い出す際にも スコトーマに近い働きがあるってことになりますね。
脳は いつでも、今の自分に必要なことや 望むものしか 僕らに見せてくれないし
逆に言えば 僕やあなたが今 思い出せること、存在を確認できることこそが
僕らが心から望んでいる、願望そのものの現れなんですねぇ。。*
脳は、僕らのために
過去を書き換え
望んだ現在を映し
未来を知らせる
・・・ん? あれ?
つまり!
脳は時間すらも超えて 人の願望を実現させているってことじゃないの!
うわぁ〜 何これ!スゲェ!ヤバッ!!
過去と現在と未来、それぞれ別で探求していたはずが 全部つながったー!ドカーン☆★☆
いやぁ〜 マジかいな〜
(すいません、1人で感動してます)
脳は、自分が望むのならば 未来を見せてくれるし、過去だって ねじ曲げてしまうのか。
スコトーマについてはコチラ↓
「運命よりも脳科学|なぜ強く望むほど夢が叶いやすくなるのか」
自分の未来を見る方法はコチラ↓
「先行きが見えない将来の不安を解消する方法|ポイントは たったの3つ*」
ちなみに僕は意識を幸せにフォーカスさせることで、その逆の「自分を不幸にすること」にスコトーマをかけて、自分にとってマイナスになることを感じにくくしています。
また自分の心が明るくなったり、暮らしが豊かになる情報ばかりが どんどん入ってくるようになっています*
あなたの過去 と 未来
さてさて、記憶・思い出の話に戻りましょう。
3記事にもわたって解説してきた「記憶のメカニズム」ですが。。。
正直な話、普段の何気ない日常をすごす上で この知識が役立つことは、ほとんどないと思います。
(・・・おい!笑゛)
ただ 辛い過去やイヤな思い出、トラウマ・・・
つまり記憶が「今」の幸せの妨げになっているのなら、記憶について知ってみる価値はあるのではないかな、とも僕は思うんです。
だってね、もう記憶なんて、全然あてにならないことが わかったじゃないですか。
だから
過去は「現在、そして未来の自分が幸せになってはいけない理由」には ならないんです*
・・・これを言いたいがためだけに、僕は 長々と記憶の解説をしてきました〜
だれもが 幸せになる権利を持っているし
「幸せになる方法」も、だれもが その頭の中に秘めています。
もしも それを見つけることができたのなら、あとは それを使うだけ。。*
まとめ
前の2記事にわたって 人の記憶が書き換わる原因や、書き換える方法などを解説してきました。
そして 今回解説したのは、それが日常的に起こっている そもそもの理由です。
その理由を一言で表すならば
僕らが 無意識で1番大切にしているのは
過去でも未来でもなく、まさに今「この瞬間に存在している」自分自身だから
です。
現在の自分の意志や 存在そのものを肯定するために、
現在の自分の変化に合わせて、過去の人生も 常に書き換えているわけです。
ということは
思い出したくないイヤな過去があったり、過去を変えられたらいいなぁ と願うのであれば
「現在の自分の意志・思考」を変えることで、その望みは叶うってことです。
僕らに どんな過去を見せるのかを決めているのは、「現在の自分の意志・思考」ですから☆★
そういうわけなので。。。
本当に存在したのかどうかすらも わからない過去に、
ネガティブな意味で捉われる必要はないんじゃないかな〜 と、僕は思うわけです。
過去は「現在、そして未来の自分が幸せになってはいけない理由」にはなりませんもの*
はい、以上〜
今の自分を大切にすることで、過去はもっともっと美しいものになるんですよ日記、でした!
記憶が書き換わる「仕組み」と「条件」の解説↓
「過去の思い出は常に変化している|記憶の仕組み」
「方法」の解説↓
「記憶を書き換える方法|僕らは過去の存在を証明できない」
・ぷちぷちお詫び
またしても、トラウマの消し方まで説明しきれませんでした。。。
なので、別の記事で個別に紹介いたしました↓
「トラウマの正体とは|自分を「守るための」記憶のメカニズム」
おまけで、お化けを見たとか 宇宙人に誘拐されたといったような、オカルト関連の記憶の解説もいたしました☆
最後までお読みくださり ありがとうございました(^^)
この記事が すこしでもお役に立ちましたら 嬉しいです*