低収入・過労から自分を守る対策|農業始める前にやるべき3つのことを紹介します

農家になるために*

新規就農を目指して山梨県に移住し、2022年7月1日から2年間の農業研修を受け始めたのですが、
研修が8ヶ月経過した今、わかってきたことが色々とあるので、農家になりたい人や起業に興味がある人にもシェアできたらいいな〜と思いました。

てことで、今回は!

農業研修生の僕が、研修1年目の今から やらなければならないことを紹介いたします〜

この記事では「僕が やるべきこと」を3つ紹介するのですが、
まずは、何故それらを行うのかという、そもそもの理由からお話ししたいと思います。

動画版もございます↓

栽培だけが農業じゃない

農家になる準備期間に僕が やるべきことを「やらなければならない理由」は2つあって。。。

1:その時々の流行とか、メディアや消費者の氣分次第で破綻するような事業にしたくないから

2:「売上をあげるために事業を拡大すればするほど、労働時間等も増えて自分が苦しくなる」というジレンマを解消したいから

です。

山梨県の固有品種のブドウ・甲州の収穫の写真

「農業なんて、作物を育てて収穫したものを出荷するだけの、シンプルな仕事じゃないの?」と思う人もいらっしゃるかもしれないのですが、そんなに甘いものじゃないと僕は思っています。

たとえば「優れた栽培技術を身につけて、高品質の作物を出荷できる専門家」を農家と呼ぶとするじゃないですか。。。

仮に僕が、お客さんの満足度も最大まで高めることができる立派な農家になれたとしても、
収入が少なくて自分の生活が成り立たなくなる可能性は かなり大きいですし、足腰を壊したり過労で仕事そのものをできなくなってしまうことも あるかもしれません。

もちろん、よい作物を育てられるように農業研修を受けていますし、研修以外の時間にも栽培方法の解説書を読んだり、土と植物の関係や、肥料の役割などを調べて勉強もしています。

けれど

農業を営んで豊かに暮らしていくには、栽培技術以外にも身につけるべきことがあるんです。

やるべき3つのこと

前置きが長くなりましたが「農家になる前に、僕が やるべきこと」の話を始めましょう。

今回は以下の3つについて紹介いたします〜

1:農業という仕事を数字化する

2:事業の存在意義を明確にする

3:作業の簡素化・マニュアル化

1:パソコンで営む農業

ではでは、「仕事の数字化」について。

農業という仕事は2つの視点で見ることができます。

1:植物を栽培したりとか、実際に現場で見る農業

2:数字で見る農業

数字で見る農業とは、わかりやすく言えば「パソコンで営む農業」って感じかな。

この数字を正しく読み取れるようになると、経済的に破綻したり体を壊してしまう可能性を大きく下げることができますし、
「売上の増大とともに、自分の労働時間を減らす仕組み」をつくることができたりもします。

夢のような仕組みですね〜(笑)

知っておくべき「時間と売上の関係」

じゃあどんな数字があるのかと言えば。。。

商品価格の相場をチェックしたり、経費売上を記録するのは言うまでもないかもですが、
僕は特に労働時間(人工)の記録を重視していて、作業のカテゴリーや畑ごとに細かく分けて集計していきます。

メリットとしては、いろんな意味で より正確な予測ができるようになるので、「経営計画や戦略を立てやすくなる」といったことがあります。

たとえば労働時間と経費売上が わかれば、「自分を含めた」従業員の時給や必要人数を割り出すことができます。

「どの作業に、どれくらいの時間をかけると、売上や利益が どれくらい変わるのか」を知っておくことが、僕にとって とても重要なんですよね。

(ここでミスると破綻するので、本当に重要な作業です)

ビニールハウスでいちご狩り(山梨県しまむら農園のいちご)の写真

ただし、時間と経費というコスト面の予測は比較的簡単ですが、
農産物の値段は変動しやすいので、売上予測を立てるのは難しかったりもします。

なので僕の場合、売上予測に関しては、かなり低く見積もっています★

前年の最低ランク、あるいは「見た目が悪くて市場には出せない加工品用」の出荷額とかかなぁ?

厳し目に設定しておかないと、本当に そうなった時に破綻してしまうので〜
(それにしても厳しすぎ(笑))

・ぷち補足

2023年の経済状況ですと、経費については「物価の上昇率」を考慮する必要があります。

ヴィクトリアの日曜マーケットの写真

・ぷち余談

僕は、予測の はじめの段階では人件費を経費に含めません。

理由は「従業員の時給によって、人件費が変わるから」です。

順序としては。。。

1:予想売上を低めに見積もる

2:予想経費を出して利益を見積もる

3:その結果と予想労働時間を照らし合わせて、人件費(何人雇えるのか)を考える

経費について知っておくと、いろんな意味で働き方が変わると思います↓
コーヒー1日6杯で経営が成り立つ仕組み|賢く自営業・経費編

2:コアを強くする

つづきまして「事業の存在意義」について。

ここでいう事業の存在意義とは、経営理念とかビジョン等と呼ばれるもので、事業の核・コアになるもののことです。

たとえば僕の場合は「なんのために僕の農園があるのか」とか「僕の事業が社会の中でどんな役割を担うのか」みたいなことかな*

これを基に、事業をどんな風に構築していくのかとか、どんなシステムを創っていくのかを考えていくわけなのですが、
理念は道標のようなもので、内容を明確にすればするほど、自分がやるべきことも わかりやすくなっていきます。

シアトルパイクプレイスマーケット(八百屋)の写真

たとえば。。。

この理念を現実化させるには、こういう活動をして、こんなサービスを提供する必要があるよな〜
じゃあ こういうサービスを提供するには、あんな仕組みが必要になるね〜
てことは!今は これに取り掛かるべきなんだな☆

といった感じで、逆算方式で課題を導き出すことができるんです(^^)

逆に言えば、理念が なければ何をすればいいのか わからなくなってしまうんじゃないかな〜 と、僕は思います。

季節労働愛媛県でみかんアルバイト(宝石のようなみかん)の写真

また、理念を明確にすることは経営者自身にだけ効果があるのではなくて、
従業員のモチベーション維持に繋がったり、場合によっては「なぜ自分が ここで働くのか」まで わかってもらえるかもしれません☆

この事業に携わってくれる皆が、自分が働くことで何が起こるのかとか、働くことの意味を理解できる、そんな職場にできたらいいな〜って僕は思っています*

事業の存在意義は、事業のブランド化とも強い関わりがございます↓
同業者にない価値のつくり方|個人事業フリーランスの生きる道

余談:僕の進捗状況

実際に、僕は逆算方式を今まで活用してきています。

事業の原型モデルを考えて、僕が行動を始めたのが6年前の2017年なのですが、
それ以来ず〜っと、逆算方式で出した答えをもとに「今何をすべきか」の課題を見つけて、それを1つ1つこなしてきました。

(無職で長期間過ごしていたのは、それが「事業計画の1つ = 僕の仕事」だからです)

バンクーバーの家族の写真

ちなみに計画を立てた当時は、この事業を20年くらいかけて完成させるつもりだったのですが、
実際の進捗状況からすると、大体予定通りか、それよりちょっと早いくらいかな〜っていう手応えを感じています☆

計画した20年の内の半分である10年後くらいに、自分の仕事で それなりの生活ができるようにしておくつもりでした。

今が計画を実行して6年目、農業研修が あと1年あって、その後の3年間で生活を成り立たせればいいので、かなり現実的な数字なんじゃないかなって思います。

ただ、さすがに6年前は、事業のベースが農業になるというところまでは予測できていなくて、その頃はWeb系の仕事で考えていました。

パソコン2台でデスクワークしてる写真

まぁ僕にとっては、何の仕事をするのかよりも「事業の仕組み」の方が大切なので、その仕組みをWeb系ではなくて、農業に そっくりそのまま移転させた感じです。

(農業は大好きですし、本氣で取り組んでます☆)

極論ですが、農業で この仕組みを完成させることができたら、他の仕事でもできるんじゃないかなって個人的には思っています。

農業を引退した老後に「パン屋でもやろっかな〜」って思ったら、この仕組みをそのままパン屋という仕事にカポってハメるだけ〜みたいな〜

下の記事も、農家を目指している人にシェアしておきたい内容でございます↓
1125万円新規就農補助金の話|農業アルバイトをオススメしない理由

3:誰でもできる農業に☆

では最後の課題「作業の簡素化・マニュアル化」について〜

これは従業員を雇う準備でして。。。

知識や経験の必要のない作業をマニュアル化するのは もちろんなんですけど、
農業の場合、自然が相手という ちょっと特殊な仕事なので、マニュアル化が難しい面もあるんですよね★

和歌山県みなべ町の紀州南高梅干し(農家のビニールハウス1)の写真

植物の性質を理解しているからこそ判断できる作業が多いのですが、
でも、それを知識も経験もない人に「こういう植物だから、こうするんですよ」って説明しても、いまいちピンとこないと思うんです。

・・・というか僕自身も よくわかってないし(笑)

そういった知識や経験が必要になる作業でも、可能な限り初心者でも行えるように工夫していきます。

理論的に考えると難しい作業を、頭を使わずに行えるようにする方法を考えるって感じかな☆
(正確に言うなら「頭を使わずに作業ができるようになる、説明の仕方」を考えていきます)

補足:伝説の教科書

僕が参考にしているのは、まさに起業家のバイブルと言っても過言ではない超名作「The E-Myth Revisited(起業家の神話・再臨)/著者:Michael E. Gerber」でございます。

僕は この本の内容を経営基盤にしていきますし、これから起業する人には もちろん、すでに事業を持っている人にも ぜひオススメしたいです* ・・・マジで!

また、僕が実際にお手伝いしたことのある農家さんの経営方法も、この本の内容に かなり近いものがあり、それも参考にさせていただいています。

※The E-Myth Revisitedの日本語版のタイトルは「はじめの一歩を踏み出そう」です

通販にも出ています↓

2年じゃ無理だけどね(笑)

徒然と語りましたが、正直に言うと。。。

1年に1〜2サイクルしかデータを取れない農業において、今回説明したことを研修の2年間で完成させることはかな〜り難しいです。

だからこそ

たとえ研修段階だったとしても、できる限りのことをしていく必要があると僕は思っています*

まとめ

農家になる前に、僕が やらなきゃいけないことは

1:農業という仕事を数字化する

2:事業の存在意義を明確にする

3:作業の簡素化・マニュアル化

この3つ。

これらを行う理由は

1:その時々の流行とか、メディアや消費者の氣分次第で破綻するような事業にしたくないから

2:「売上をあげるために事業を拡大すればするほど、労働時間等も増えて自分が苦しくなる」というジレンマを解消したいから

です。

優れた栽培技術を身につけて、高品質の作物を作れる よい農家になっても、
経済的に豊かな生活をおくれるわけじゃないので、僕は経営面に関しても準備を進めていく。

そのためにも、まずは農業という仕事を数字化して、経営計画や戦略を立てやすくする。

特に、作業のカテゴリーごとに細かく分けて、労働時間(人工)を記録していくことが重要だと思う。

また 事業の存在意義とは、経営理念とかビジョンのような、事業の核になるもののことで、
内容を明確にしていくほど、自分がやるべきことも わかりやすくなるというメリットがある。

個人的な目標としては、この事業に携わってくれる皆が、自分が働くことで何が起こるのかとか、働くことの意味を理解できたり、やりがいを感じられる、そんな職場をつくっていくこと☆

3つ目の課題は、理論的に考えると難しい作業を、頭を使わずに行えるようにする「説明の仕方」を考えること。

農業というのは自然相手の仕事であり、「植物の性質を理解しているからこそ、こうした方がいいと判断できる作業」ばかりである。

そういった作業を、可能な限り初心者でも行えるように工夫していく。

はい、以上〜
農家になる前に 僕がやるべき準備について、でした!

さっきも書いたけど、実際には2年間の研修だけで これらを完成させることは難しいのですが、できるかぎりガンバりま〜す

最後までお読みくださり ありがとうございました(^^)
この記事が すこしでもお役に立ちましたら 嬉しいです☆